ビジネスに使える心理学 の本と実用書のまとめ3

ビジネス・実用書レビューは1冊の本の書評を前編・後編2回に分け、毎月第2・第4月曜日(祝祭日の場合は翌日)にお届けしてまいりましたが、2019年12月をもって連載を終了することになりました。最終回は ビジネスに使える心理学 の本と実用書のまとめ を3回に分けてお届けいたします。

これまでご愛読いただいた方々には心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

7. なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?(枝廣淳子・小田理一郎著 東洋経済新報社)


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これは「システム思考」という問題解決の手法に興味を持った時に読んだ本です。人生のピークを90代にもっていく!』 の書評でも書きましたが、私はソーシャルビジネスに興味があり、持続可能であることやゼロサムゲームにならない選択を自分だけでなく全体に影響を与える形で実現することは可能なのか?という問題を考えていた時に、この著者である枝廣淳子さんに巡り合いました。最初は枝廣さんの「幸せ経済社会研究所」のサイトに行き当たりました。そこで、たくさんの考え方を学びました。そして、システム思考というものに興味を持ったという流れです。

「私たちは、何らかの問題やうまくいかないことが起こると、「私が悪いのだ」、「あの人(あの部署/あの組織など)が悪い」と自分や人を責めがちです。しかし、それでは問題解決にはならないどころか、互いに嫌な気持ちを抱いたり挫折感や自己嫌悪が強まったりして、さらに状況が悪化することも多々あります。」

続編ともいえる『「システム思考」教本

枝廣淳子・小田理一郎著 東洋経済新報社Amazonで見る / 楽天ブックスで見る)のはしがきに「私たちは、何らかの問題やうまくいかないことが起こると、「私が悪いのだ」、「あの人(あの部署/あの組織など)が悪い」と自分や人を責めがちです。しかし、それでは問題解決にはならないどころか、互いに嫌な気持ちを抱いたり挫折感や自己嫌悪が強まったりして、さらに状況が悪化することも多々あります。」とある通りだと感じます。

私が企業の品質管理を担当していた時の経験から、問題を解決しようとすると自分が責められていると感じる人が実に多く、これは品質管理でカウンセリングだと思ったのとまさに一致します。

枝廣さんはもともと心理学を専攻していますから、心理学の理論を併せて導いてきたひとつの結論なのだと思います。問題に取り組む姿勢や考え方についてより心理学的な見地から書かれた『レジリエンスとは何か

枝廣淳子著 東洋経済新報社Amazonで見る / 楽天ブックスで見る)を読むと勇気が湧いてきます。

8. 対話型ファシリテーションの手ほどき(中田豊一著 ムラのミライ)

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システム思考は有用ですが、その手前の聞き取りにおいてはどうしても「犯人捜し」が起きてしまい、本当の原因がわからないままになってしまうことがあります。
これを解決できそうだと思ったのが、この対話型ファシリテーション、つまりメタファシリテーションの技法でした。

ムックですから薄くて読みやすい、メタファシリテーションの技法が非常にわかりやすく書いてある本です。

私は本を読んだだけではつかみきれなかったので、セミナーやワークショップに通っています。説明を聞いていると、こちらにもきちんと心理学の理論やカウンセリングの手法と整合性のある考え方や手法が組み込まれていることがわかります。例えば、自尊感情を大事にすることや共感をもって接して信頼関係を築くことなどです。また、これが伝授可能な考え方であり、トレーニングをすることでより多くの人がその恩恵に預かることができるというのも魅力的です。

メタファシリテーションの生みの親の和田信明氏が実際に途上国支援でどのようにこれを確立していったのか、どのような事例があるのかなどの読み物としては、『途上国の人々との話し方』(和田信明・中田豊一著 みずのわ出版Amazonで見る / 楽天ブックスで見る)や『ムラの未来・ヒトの未来』(中田豊一・和田信明著 竹林館Amazonで見る / 楽天ブックスで見る)を読んでみてください。

9. これからの「正義」の話をしよう(マイケル・サンデル著 早川書房)

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こちらは前回10月と11月に4回にわたって取り上げた本です。政治哲学という分野の本ですが、政治学でもなく哲学でもなく、政治における倫理などの哲学的な側面を扱う学問です。

学問の分野の垣根をどんどん超える時代が来ています。それぞれの学問が何百年もかけて深めてきた知識やノウハウをこれから併せてもっと人類に役に立てようと力を合わせる時代が来ていると考えるとワクワクします。

行動経済心理学が最初にノーベル経済学賞を受賞したのは、2002年のダニエル・カーネマン教授、次が2013年のロバート・シラー教授、そして2年前の2017年のリチャード・セイラー教授で、現在のところ3回受賞していることになります。
行動経済心理学は旧来の伝統的な経済学の理論では説明できなかった非合理的な経済の動きを、人間心理を計算に入れることで説明可能にしたという画期的な研究です。

心理学は一つの学問の分野として認められるまでに時間がかかっています。古代ギリシャの時代から1879年まで、心理学は哲学の一分野として扱われてきました。

学問の分野は「人文学」「社会科学」「自然科学」「形式科学」「応用科学」といった区分けができますが、経済学は社会科学の中にあり、心理学は人文学の中にあります。

行動経済心理学のすごさはこの学問の分野の垣根を飛び越えたところにあるといっても過言ではないかもしれません。

心理学を学んだ者として、経営学や経済学に心理学が役に立つのは嬉しい限りです。

言論NPOが行った調査で「日本のどの機関を信頼しているか」という質問への答でみると、「とても信頼している」と「ある程度信頼している」という回答を併せて、大企業に対する信頼は45.4%、中小企業に対しては53.0%、政府に対しては36.4%です。

SDGsの取り組みに見るような、政治だけではなく、企業もコンプライアンスを守ることはもちろん、日本だけでなくグローバルな影響を考慮して共に幸福の追求をすることが期待されているのだと思うのは私だけでしょうか。

さらに、中小企業に対する国民の信頼を考えると、ここに中小企業だからこそできることがたくさんあるのではないかという気がします。

最後までお読みくださりありがとうございました。
みなさまの幸せがビジネスになり、そのビジネスが周囲のたくさんの人々の幸せにつながっていきますよう、お祈り申し上げます。

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ライター:鶴見紀子(True Color Create / WE GiRLs CAN

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